飲食店の気になるを大公開! オモロー山下が聞く「お店と同じ価格、実際どうなの!?」 ~お店の味をそのまま届ける焼肉弁当でファンを獲得~
インタビュイー
株式会社カルネヴァーレ
新規事業開発室 室長
塩田 弘長 氏
インタビュアー
オモロー山下 氏
「その街で一番愛される焼肉レストラン」をコンセプトに、焼肉・しゃぶしゃぶ・ステーキ・肉割烹と幅広く肉の魅力を届ける KINTAN。2019 年にはお弁当事業をスタートし、Uber Eats を活用したデリバリーにも積極的に取り組んできました。そんな KINTAN では、新たな施策として「お店と同じ価格」を導入。期待以上だった成果やお客さまに愛されるためのこだわりなどについて、山下本気うどん創業者で現在はアドバイザーを務めるオモロー山下氏が、株式会社カルネヴァーレの塩田氏にインタビューを行いました。
KINTAN が追求するお肉の可能性と空間づくり
山下氏:塩田さんは新規事業開発室の室長をされているということですが、具体的にはどういうお仕事を担当されているんですか?
塩田氏:お弁当や催事、イベントなど、レストラン以外の場所で KINTAN の魅力をいかに伝えていくかを考えながら動いています。
山下氏:KINTAN さんって、焼肉だけじゃなく、しゃぶしゃぶやステーキ、肉割烹(かっぽう)のお店もされていますよね?
塩田氏:いいお肉を提供するだけではなくて、お肉の食べ方や利用シーンを広げるため、幅広い業態を展開しています。デートやアニバーサリーから、会食、ランチ、そしてお弁当と、その日の気分や目的に合わせて KINTAN を使いたいと思ってもらえるお店づくりをしています。
塩田氏:ずっと長く続いていく、その街に根付いたお店になりたいという思いがあります。そのため、街ごとにお店の内装やロゴも変えています。「お肉」と「空間」と「サービス」を通じて、幸福感や豊かさを感じてもらえるお店を目指しています。
山下氏:なるほど。では、商品に関して、やっぱりお肉が重要ですか?
塩田氏:長年信頼しているお肉屋さんから仕入れていて、プロの視点と KINTAN が提供したい商品のイメージをすり合わせながら、より良いものを厳選しています。部位によって異なるお肉の味わいや、最適な食べ方を熟知している肉職人が各店にいるので、職人がカットして、一番いい状態でお召し上がりいただけるよう徹底しています。
山下氏:お肉以外のメニューについても、こだわりを教えてください。
塩田氏:焼肉だけでなく、中華やイタリアン、フレンチのバックグラウンドを持つスタッフも多くて、季節ごとに締めの料理や口直しも含めてメニューを変えています。「お肉を食べに来る」だけじゃない楽しみ方もできるのが KINTAN の特徴かなと思います。
山下氏:Uber Eats を始められたきっかけは何だったんですか?
塩田氏:コロナ禍がきっかけです。外食がしづらい状況の中で、地元のお客さまを中心に「KINTAN のお肉が食べたいのに食べられない」というお声を頂き、それにお応えするためにお弁当をスタートしました。それと同時に Uber Eats もスタートしたんですが、「簡単に注文できて、出来立てをすぐお届けできる」デリバリーはお弁当事業にとって非常に重要な提供手段だと感じたんです。
山下氏:導入してみて、どうだったんですか?
塩田氏:最初は苦戦しました。当時はまだ Uber Eats をやっているレストランも今ほどは多くなく、KINTAN がお弁当を始めたことも全然知られていなかったので、完全に手探りの状態でした。当初は自社でデリバリーにも対応していて、Uber Eats の受付画面と電話を目の前に置いて、じっと注文を待っていました。注文が入ると、自社デリバリーの場合は私自身が自転車で配達することもありました。
山下氏:えっ、室長自ら配達!?
塩田氏:直接お客さまに「なぜ頼んでくださったんですか?」と聞いてまわって、改善するということをやっていました。そのうち、コロナ禍でのお弁当特集がテレビなどで取り上げられるようになり、Uber Eats 自体の利用者数も増えてきたタイミングで一気に注文が増えました。そこからは順調に伸びてきています。
山下氏:実はさっきお弁当を食べさせていただいたんですが、めちゃくちゃおいしかったです!「これ、ホンマにお弁当ですか!?」というレベルで。お肉って冷めたらおいしくなくなるイメージだったんですけど、全然そんなことなくて。KINTAN さんのお弁当へのこだわりも教えてください。
塩田氏:工場で量産しているお弁当ではなく、それぞれのお店で一番おいしい状態のお弁当を作っているというところが強みです。店内と同じカット、同じ仕込みをしたお肉を使って、ロースターで香ばしく焼き上げています。塩こしょうやタレも、すべてお店で使っているものと同じ。レストランで食べる味に、できる限り近づけることにこだわっています。Uber Eats なら注文ごとに、出来立てのお弁当を届けられるので、香ばしい香りもそのまま味わっていただけると思っています。
山下氏:今回の「お店と同じ価格」ですが、導入しようと思ったきっかけは何だったんですか?
塩田氏:デリバリーは手数料などの関係で、どうしてもテイクアウトより価格が高くなってしまいます。一方で、お弁当はレストランよりももっと日常的に利用していただきたかったので、本当は価格を下げたいと思っていました。そういう状況の中で「お店と同じ価格」という取り組みが始まるというお話を Uber Eats さんからいただいて、導入することを決めました。
山下氏:導入前にはどれくらいの効果を見込んでいたんですか?
塩田氏:正直なところ、注文数は増えても売り上げは同じくらいか、少し下がるかもしれないと思っていました。ところが実際は、導入前の 3 週間と導入後の 3 週間を比較すると、注文数は約 1.5 倍、売り上げは約 1.2 倍という結果になりました。
山下氏:すごい!そんなに変わるんですね。ちなみに、僕が食べさせてもらったお弁当はかなり豪華でしたけど、KINTAN さんのお弁当って平均いくらくらいするんでしょうか?
塩田氏:山下さんにお召し上がりいただいたトリプル焼肉弁当が 4,980 円で、平均でだいたい 3,000 円前後くらいです。
山下氏:その価格帯で注文数が約 1.5 倍はすごいですね!新規の方も増えたんですか?
塩田氏:おかげさまで新規顧客は約 1.4 倍になりました。KINTAN はもともとリピーターが約 6 割ほどを占めるお店なので、「新しいお客さまに KINTAN の味を知っていただいて、ファンになってもらう」ということは意識していました。
塩田氏:KINTAN のお弁当に対して「食べたいけどちょっと手が届かない」と感じていたお客さまが多かったんじゃないかと思っています。KINTAN 自体に、アニバーサリーや特別なときに行くレストランというイメージを持たれていた方も少なくないはずです。そういう中で、「お店と同じ価格」になったことによって、ハードルが下がったのが大きかったと思います。
注文増に対応するための意識改革とオペレーション改善
山下氏:注文数が増えると、現場の負担も大きくなりそうですが、何か対策はされたんでしょうか?
塩田氏:まずは、店舗スタッフへの意識づけです。今まで Uber Eats は店舗売り上げのプラスアルファという位置づけでしたが、今回の「お店と同じ価格」という取り組みに、私は Uber Eats さんの本気度を感じまして。私たちも襟を正して、「本気で Uber Eats に向き合い、お客さまに楽しんでもらって、ファンを増やしていこう」という方針を共有しました。
山下氏:具体的なオペレーションの工夫はどんなことをされましたか?
塩田氏:各店舗の状況を見直して、注文が集中する時間帯に合わせて営業時間を調整しました。たとえばですが、18 時からの注文が圧倒的に多いのに 17 時からやっていたケースもあったので、そこを 18 時スタートに変えるなど細かい改善を積み重ねています。また、スタッフのスキルの平準化にも取り組んでいて、誰がシフトに入っても同じクオリティで対応できる体制づくりを進めています。
山下氏:オペレーションを整えることで、質を落とさず注文増に対応できているということですね。
塩田氏:そうです。目の前のレストランのお客さま、お弁当を注文されたお客さま、どちらにも大満足していただくのが私たちのミッションですので。一方で、金曜日の夜など、どうしても忙しいときには Uber Eats の注文受付を止めるタイミングはまだあります。引き続き、オペレーションを改善することで、止めずに回せる体制に少しずつ近づけていこうと思っています。
山下氏:改めて、「お店と同じ価格」に取り組まれて感じていることを教えてください。
塩田氏:昨今の飲食業界では、お米もそうですが、原材料費の値上がりで、商品価格を上げざるを得ない状況が続いています。そういうニュースばかりなので、お客さまも受け入れてくださっているとは思うんですが、そんな中において「お店と同じ価格」というのは、きっとお客さまも待ち望んでいたことなんじゃないかと。だからこそ、これだけの反響があるんだろうなと感じています。
山下氏:では最後に、今後の展望を聞かせてください。
塩田氏:私たちはデパ地下でもお弁当を販売しているのですが、そこでも Uber Eats でも、もちろんレストランでも、KINTAN のファンをつくっていくために、さまざまなシーンで使っていただけるブランドにしていきたいと思っています。レストランをきっかけに知ってくださった方が、ご自宅から Uber Eats でお弁当を頼んでくださったり、逆に Uber Eats で初めて KINTAN を利用された方が「今度はみんなでレストランに行こう」と思ってくださったりする。そういう流れを作っていきたいです。
塩田氏:新規のお客さまとの出会いを作るって、本当に難しいんですよね。キャンペーンを打ったり、自社でマーケティング活動をいろいろ工夫したりしても、なかなか新しい人には届かないものです。「お店と同じ価格」は、そのハードルを一気に下げてくれる施策だと実感しています。今、Uber Eats に注目が集まっているこのタイミングで、ぜひ新しいお客さまとの出会いの機会にしていただければと思います。
山下氏:塩田さん、今日は貴重なお話をありがとうございました。
塩田氏:こちらこそ、ありがとうございました。
店舗紹介
今では焼肉 KINTAN の看板メニューとなっている「30 日間熟成牛タン KINTAN」のように、KINTAN は食材の組み合わせや調理法、食べ方など、常に新しいメニューを開発。おいしさだけでなく、驚きや楽しさをお客さまに届けています。そのこだわりは、お弁当にも貫かれており、Uber Eats においても高い支持を集めています。レストランとお弁当という 2 つの軸を持ち、日常のさまざまなシーンに寄り添うブランドとして、KINTAN はファンを増やし続けています。(写真は赤坂焼肉 KINTAN)
Azusa Miura