飲食店の気になるを大公開! オモロー山下が聞く「お店と同じ価格、実際どうなの!?」 ~新規顧客が約 3.8 倍!有名ラーメンチェーン店が感じた伸びしろ~
インタビュイー
グロービート・ジャパン株式会社
企画広報制作部 部長
鈴木 力 氏
インタビュアー
オモロー山下 氏
創業 34 年目を迎える「らあめん花月嵐」は、青森から沖縄まで約 180 店舗を展開。看板商品「嵐げんこつらあめん」を中心に、毎月発売の期間限定コラボラーメンでも多くのファンを持つ東京豚骨ラーメンブランドです。デリバリー強化策として「お店と同じ価格」の導入に踏み切った背景や驚くべき成果について、山下本気うどん創業者で現在はアドバイザーを務めるオモロー山下氏が、グロービート・ジャパン株式会社の鈴木氏にインタビューを行いました。
食べやすい東京豚骨ラーメンと毎月の新発見
山下氏:鈴木さんは普段どんな仕事をされているんですか?
鈴木氏:らあめん花月嵐というブランドを全国に広げていくのが私の仕事です。最近うれしかったことで言うと、嵐の相葉さんが出演されているテレビ番組に私たちの「らあめん花月嵐」が出たのですが、同じ嵐として共演させていただいたことです。
山下氏:そうなんですね!鈴木さんも出演されたんですか?
鈴木氏:はい、相葉さんがお店に入ってこられたときに「ようやく会えましたね、花月嵐さん」と言ってくださって。
鈴木氏:私どもは「嵐げんこつらあめん」を看板商品に、東京豚骨ラーメンというジャンルで青森から沖縄まで全国に約 180 店舗を展開しています。いわゆる背脂ちゃっちゃ系と呼ばれる豚骨ラーメンですが、豚骨特有の臭みやこってり感は抑えめに仕上げているのが特徴です。女性やご年配の方にも食べやすく、幅広いお客さまに楽しんでいただけるラーメンを目指しています。
山下氏:ここに来る前に、その「嵐げんこつらあめん」をお店で食べさせてもらったんですが、めちゃくちゃおいしかったです!確かにあっさりしていて、食べやすくて。
鈴木氏:食べやすさを重視しながらも、秘伝のタレが特徴の 1 つです。ニンニクを漬け込んだ特製ダレを溶かし込むことで、よりパンチのある味わいになるので、お好みに合わせて楽しんでいただけます。
鈴木氏:他にも、スタッフに声をかけていただければ、醬油ダレや生ニンニクといった調味料もご提供していますし、壺ニラもやしというトッピングは卓上にご用意しています。お客さまが自分好みにカスタマイズされることをお店として推奨しています。
山下氏:あと、期間限定メニューもいろいろ出されていますよね?
鈴木氏:期間限定メニューを毎月 1 つ出していて、特に人気なのが有名ラーメン店とのコラボラーメンです。その場所にしかないお店やなかなか行列で入れない人気店の味を、全国の花月嵐で気軽に楽しんでいただけます。青森や沖縄のお客さまにも名店の味を届けられるということで、ラーメン店の店主さんにお願いして、コラボさせてもらっています。
山下氏:すごい!それはお客さん、有名店さん、らあめん花月嵐さんのトリプルウィンですね。
山下氏:Uber Eats を始めたきっかけはあったんですか?
鈴木氏:きっかけはコロナ禍です。外出ができない中で「らあめん花月嵐のラーメンが食べたい」という声を非常に多く頂きました。ラーメンは出来立てを熱々で食べるもので、デリバリーには適さないと考えていたので、コロナ前は取り組んでいなかったのですが、そういった声にお応えするためにデリバリー仕様のラーメンを開発して、スタートしました。
山下氏:デリバリー用に作り方を変えているんですか?
鈴木氏:スープの温度や麺が伸びてしまうという問題がありましたので、店内提供とデリバリー用で調理法を変えています。麺のゆで時間や包装方法なども含めて、お客さまのお手元に届いたときに一番おいしい状態になるよう、試行錯誤を重ねました。
鈴木氏:売り上げにもつながりましたし、思わぬ効果もありました。デリバリーで花月嵐を知っていただいて、その後ご来店につながるケースが非常に多かったんです。アンケートでも「デリバリーで食べておいしかったから来た」という声を多く頂きました。補完するつもりで始めたデリバリーが、新規来店者を増やすきっかけになったんです。
山下氏:それはうれしい誤算でしたね!
起爆剤としての「お店と同じ価格」
山下氏:今回のテーマである「お店と同じ価格」を導入しようと思った背景を教えてください。
鈴木氏:コロナ禍が明けてから店内飲食のお客さまが戻ってきている一方、デリバリーの売り上げは全体としてダウントレンドにありました。ただコロナ禍を経験したことで、店内飲食とデリバリーの両軸でお店の売り上げが構成されている状態になっていたので、デリバリーを復調させたいなと。この取り組みがデリバリーの起爆剤になればと思って、導入することにしました。
鈴木氏:デリバリーでもお店と同じ価格で買えるとなると、店内の売り上げが落ちてしまうのではないかという懸念がありましたし、社内でもそういった声は少なくなかったです。なので、まずは試験的に一部店舗でスタートさせました。
山下氏:実際やってみてどうでしたか?
鈴木氏:結果としては、店内飲食のお客さまの数は減らず、むしろデリバリーを通じて新規のお客さまが大きく増えました。デリバリーを利用されるお客さまは、もともとデリバリーを普段から利用される方で、店内飲食とは客層が違うんです。当初の懸念はクリアしたので、導入店舗を拡大しました。これまでらあめん花月嵐をまだ知らなかった方や、デリバリーをやっていることをご存じなかった方に、ご注文いただけています。
山下氏:具体的にどれくらいの効果があったのか聞いてもいいですか?
鈴木氏:売り上げで言うと約 1.7 倍。注文数は約 2.1 倍。新規顧客数は約 3.8 倍です。
山下氏:約 3.8 倍って、めちゃくちゃすごいじゃないですか!
鈴木氏:当初目標を大きく上回っていて、想定以上の数字に正直驚いているというのが本音です。
現場を動かした改革の連鎖
山下氏:それだけ注文が増えると現場は大変になりますよね。オペレーションの工夫はどうしていたんですか?
鈴木氏:これまでは価格差があったので、店内飲食とデリバリーで盛り付けの仕様を変えていたんですが、「お店と同じ価格」を始めるタイミングで盛り付けも統一しました。作るものが同じになるので、複雑さがなくなり、スピーディに提供できるようになりました。
山下氏:なるほど、同じ価格にしたことでオペレーションもシンプルになったんですね。
鈴木氏:あとは時間帯ごとの注文データが見やすいというデリバリーの特性を生かして、需要の高い時間帯に合わせてスタッフのシフトを調整する工夫もしています。
鈴木氏:もともと全店舗での導入を進めていたのですが、ランチのピーク時は注文が詰まってしまったり、人手不足という事情もあったりで、最初は消極的な店舗もありました。ただ、導入済み店舗の「これだけ売り上げが上がった」という実績データを示すことで、未導入店舗にも積極的に参加を促すことができました。お客さんが来るか来ないか分からない状況だと言いづらいところはありますが、実績を示すことで「スタッフ 1 人増やしても回る」という納得感が生まれたんです。
山下氏:大事ですね。それがうまくいっている理由ということですか?
鈴木氏:始めてみると売り上げがどんどん伸びていくので、現場のモチベーションも上がっていきました。結果として、店舗全体で好循環が生まれていると感じています。
山下氏:広告面での効果はいかがでしたか?
鈴木氏:店舗への来客を増やすための広告は、効果が出るまでに時間がかかります。一方で、Uber Eats の「お店と同じ価格」という取り組みは、短期間でダウントレンドが V 字回復するほどの成果が出ました。
山下氏:新規の方がかなりいますもんね。
鈴木氏:私どもとしては、デリバリーをスタートしてから数年経っているので、それなりに知っていただけていると思っていたのですが、「らあめん花月嵐がデリバリーをやっているの?」と最近知ったという方からの声を頂きました。まだまだ認知拡大の余地があるということを、この取り組みを始めてから改めて実感しています。
新たなチャレンジを企業全体の成長につなげる
山下氏:らあめん花月嵐さんの今後の展望を教えてください。
鈴木氏:らあめん花月嵐全店ベースで言うと、まだデリバリーを展開できていない店舗が約 3 割あります。ここまでの成果として、新規顧客数約 3.8 倍というデータをお伝えできるようになりましたので、あまり積極的でなかった店舗にもデリバリーを始めてもらったり、デリバリーの実施時間を全営業時間帯に広げてもらったりと、デリバリーを含めたらあめん花月嵐全体としての売り上げを拡大していきたいと考えています。
山下氏:では、「お店と同じ価格」の導入を検討している飲食店の方へ、何かメッセージをいただけますか?
鈴木氏:リアル店舗だけでは、出店エリア内でのお客さまの取り合いが続きます。デリバリーには、これまで接点のなかったお客さまや、まだブランドを知らないお客さまに出会えるチャンスがあります。特に「お店と同じ価格」は、まだ取り組んでいない店舗にとってブルーオーシャンだと思っていますので、ぜひチャレンジしてみていただきたいです。
山下氏:鈴木さん、未導入店舗の方々の背中を押す言葉、ありがとうございました!
鈴木氏:こちらこそ、ありがとうございました。
店舗紹介
1992 年 10 月、東京・杉並区にラーメン専門店花月がオープン。その翌年、現在の嵐げんこつらあめんのルーツとなるニンニクとんこつラーメンの販売を開始しました。1996 年には 50 店舗を達成するなど、お客さまからの支持を受けながら規模を拡大。全国に嵐を巻き起こすという想いを込めたブランド名のとおり、現在では駅前の小型店から郊外の大型店、フードコートまで幅広い形態で、全国に約 180 店舗展開をしています。有名チェーン店となった今でも、看板メニューの味の改良を続けながら、新たなお客さまとの出会いを求めてデリバリー強化にも積極的に取り組んでいます。(写真はデックス東京ビーチ店)
Azusa Miura