[2018年5月9日、ロサンゼルス]   Uber は、第2回 Elevate Summit において、uberAIR(読み方:ウーバーエア)の試験飛行を行う最初の都市を国際的に公募することを発表しました。

Uber の Elevate プログラムは、都市空間での航空交通をグローバルに創り上げています。2023年以降、Uber のユーザーは、ボタン操作1つのオンデマンドでフライトを利用できるようになります。こうした未来を実現するために、Uber は自動車メーカー、不動産デベロッパー、テクノロジー企業などで構成される、パートナーとのネットワークを作り上げました。

uberAIR を市場に送り出すために、Uber は試験飛行を行う3つの都市とパートナーになることを計画しています。これにより、注目が集まる都市の多様性を担保することができ、長期的な成功に近づけることができます。

これまでにダラスとロサンゼルスが2つの試験飛行都市として発表されており、Uber は3番目となる国際的な都市を公募します。Uber はこの3都市に uberAIR のフライトを最初に提供します。2020年に試験飛行を行い、2023年に商用サービスを開始を目指しています。

Uber の最高製品責任者(チーフプロダクトオフィサー)であるジェフ・ホールデン(Jeff Holden)は、次のように述べています。

「国際社会からの関心の高さに期待を膨らませています。公募にあたり、関心をお持ちの都市が Uber と直接関わりを持てるプロセスを整えました。応募の際は、uberAIR がその都市にどのような好影響を与えるのかや、その都市がuberAIR の開始とその後の拡大にどのような貢献をしていただけるのかといった見解を明確にアピールしていただくことができます。」

応募の機会は、交通手段の飛躍的な向上に関心を持つ、米国外のあらゆる都市に開かれています。条件は都市空間の航空交通を発展させる意志があることです。Uber は、国や地方の政治家が新しい交通テクノロジーの採用に尽力している都市を求めています。

関心をお持ちの政府・自治体は、Uber.com/air で詳細を確認し、2018年7月1日までに Uber Elevate チームにご連絡をお願いいたします。

7月1日以降、Uber Elevate チームは、uberAIR に適合する、関心を表明していただいた都市との本格的な対話を開始する予定です。

どのような条件が都市空間での航空交通実験に適合するのかを理解していただくための一助として、Uberの考えをお伝えします。

  •    都市圏の人口が200万人以上で、1平方マイルあたり2,000人以上(1平方kmあたり770人以上)の人口密度がある都市は、相乗り形式のライドシェアリング・サービスを提供することができます。したがって、uberAIR を含む交通ネットワークから最も多くのメリットを享受することができます。
  •    理想的な都市は、都市部の領域内に密集度の高い地域が複数存在し、激しい交通渋滞に直面している、一極集中ではない都市です。大規模で分散した都市設計は、時速150~200マイル(時速240~320キロ)の uberAIR により、移動時間を大幅に短縮できるメリットがあることを意味します。
  •    距離、交通需要、橋やトンネルといった障害により、都市の中心部まで1時間以上掛かる大きな空港が付近に存在することは、差し迫った必要性がある導入事例になりえます。
  •    uberAIR が提供する移動は指定の点と点の間ではなく、ランドマーク間であるため、公共交通機関、自動車やバイクのシェアリング、住宅地における徒歩移動など、別のオプションを含む様々な移動手段を組み合わせられることが非常に重要です。
  •    試験飛行を行う都市は、気象条件、気温、高度など、航空事業に適する安定した環境を備えている必要があります。
  •    離着陸の拠点となる「Skyport」の設置を促すために、その都市の大手不動産企業が最低でも1社、パートナーとして関与することが重要になります。合理的な建設許可が下りることは評価対象となります。また、様々な手段を組み合わせた移動を前提とした都市開発を実現し、駐車場の必要性を削減する都市計画も評価されます。
  •    100%電力で駆動するVTOL(電動垂直離着陸機)の導入というゴールを達成するためには、最終的に炭素排出が少ないエネルギーによる強力な送電網が必要となります。二酸化炭素排出量の削減と、送電網を発展させるテクノロジーへの投資にその都市が尽力していることが非常に重要となります。
  •    空の可能性を解き放つためには、政策と規制をより今日に適した形にする必要があります。ライドシェアリング、ドックレス・バイク、自動運転車、ドローンなど、モビリティに関連する新たなテクノロジーについて、先進的な規制改革を行う姿勢は高く評価されます。
  •    中核となるのは、パートナーシップです。Uber は、Uber と同様、空のライドシェアリングの未来に強い関心を持ち、uberAIR を実現させるため、予測可能であれ、不可能であれ、様々な障害を乗り越えていくことに尽力していただけるパートナーを求めています。

重要な補足として、Uber が求めているのは、税的優遇や地元へのインセンティブを提供していただく都市ではありません。Uber が求めているのは、交通システムに投資し、住民のためにできるだけ早急に uberAIR を実現したいという熱意とビジョンを持っている都市です。

Uber Elevateについて

Uber は、2016年10月に都市部の航空交通に関する最初のレポートを公開し、Elevate プログラムを立ち上げました。それ以降、eVTOL(電動垂直離着陸車両)を開発している実績のある航空機メーカーをはじめ、Embraer 社、Bell 社、現在はボーイングの子会社のAurora Flight Sciences 社、Pipistrel Aircraft 社、Karem 社などとのパートナーシップを締結してきました。Uber の設計モデルは、飛行速度150~200マイル(240~320km)、飛行高度1,000~2,000フィート(300~600メートル)、1回の充電で最大60マイル(96km)を飛行できる完全な電気航空機を定めています。

Uber は昨年、ダラス・フォートワース ‐ フリスコ(テキサス州)とロサンゼルスで2020年にuberAIR の飛行デモを行い、2023年に商用運行を開始する意向を表明しました。uberAIR の交通網に不可欠な離着陸拠点「Skyports」の建設を促すために、Uber は Hillwood Properties 社および Sandstone Properties 社との不動産パートナーシップも締結しました。昨年秋、Uber は uberAIR による体験を描いた初の動画を公開しました。

2018年の Elevate Summit において Uber は、交通管理テクノロジーと都市部の航空交通に重点を置いた NASA との独占的な宇宙活動協定を発表しました。Uber は、航空機向けリチウムイオン・バッテリー・パックの開発で E-One Moli 社と協力しており、ローター・プロペラ・テクノロジーの開発で米陸軍との共同作業声明に署名しました。