Uberは本日、第1回 Uber Elevate Asia Pacific Expo において、2023年までに uberAIR(ウーバーエア)の運行を目指す最初の国際的な都市の最終候補地として、5カ国を発表しました。また、フードデリバリーサービス Uber Eats のドローンによる試験配達の計画や、uberAIR の運行がアジア太平洋地域の交通システムに与えるメリットとその役割についても紹介しました。

Uber 航空部門責任者であるエリック・アリソン(Eric Allison)は、次のように述べています。

「第1回 Uber Elevate Asia Pacific Expo を開催し、アジア太平洋地域や世界に uberAIR がもたらす未来を披露できたことをうれしく思います。uberAIR によって、人々はスマートフォンのボタン操作一つで乗車を依頼し、飛行することができるようになります。候補地5カ国のいずれかで、uberAIR は人々の移動をすぐに変革し、Uber の技術をさらに発展させるはずです。このたび、Uber Eats のドローンによる試験配達、アジア太平洋地域の都市を将来飛び交う uberAIR の運行予測ルート、様々な移動手段を連携させた交通の実現を目指す Uber の取り組みも発表することができました。Expoに出席いただいた皆さまに感謝いたします」

本発表にあたり、平木大作 参議院議員 経済産業大臣政務官より以下のコメントを頂戴しております。

「この度、アジアでの初めてのサミットが日本で開催されたことについて大変喜ばしく思います。『空飛ぶクルマ』については、都市部の渋滞対策のみならず、災害時や離島·中山間地域、観光促進における活用など多くの可能性が期待されております。経済産業省としては、『未来投資戦略2018』に基づき、国土交通省とともに829日に有識者や民間事業者から構成される『空の移動革命に向けた官民協議会』を立ち上げたところです。今後、『空飛ぶクルマ』の実現を見込む時期や、必要な技術開発、制度整備等について議論を行い、年内を目途に『空飛ぶクルマ』の実現に向けたロードマップを策定いたします。国内に閉じず、海外事業者も含めた官民が一体となって将来の予見可能性を高めることで、日本が世界の空のイノベーションを牽引していきたいと考えております。」

uberAIRを運行する最初の国際的な都市の候補

Elevate プログラムは、都市部における航空交通を世界的に実現することを目指しています。2023年をめどに、サービスを導入する都市で、Uber のユーザーがスマートフォンのボタン操作一つで乗車を依頼し、飛行できるようになることを目指しています。こうした未来を実現するため、Uber は自動車メーカー、不動産開発企業、テクノロジー企業などとパートナーシップ・ネットワークを構築。すでにダラスとロサンゼルスが米国の2つの試験飛行都市として発表されており、今年5月に開催した第2回 Elevate Summit において3都市目となる国際的な都市を公募することを発表しました。

世界各国を対象とした審査を経て、Uber が発表した5カ国の候補地は以下の通りです。

  • 日本:世界で最も優れた公共交通システムを誇る国の一つであり、テクノロジーや自動車産業の分野で世界をリードしています。Uber は東京や大阪といった大都市とともに未来の交通のあり方を模索していけることを期待しています。
  • インド:ムンバイ、デリー、バンガロールは世界で最も渋滞する都市として知られ、ほんの数キロの移動に1時間以上もかかります。uberAIR は渋滞緩和へ向けた一つの選択肢として、多大なる可能性を秘めています。
  • オーストラリア:Uber Elevate チームはすでにシドニーとメルボルンを訪問し、現地の政策立案者や民間航空安全機関と前向きな意見交換を行いました。オーストラリアは都市部におけ る航空交通の未来の受け入れに向け、積極的に取り組んでいます。
  • ブラジル:Uber のパートナーである Embraer(エンブラエル)社の拠点があるリオデジャネイロとサンパウロは、世界的に注目されているライドシェア市場です。ヘリコプターの利用が盛んで、都市部における空の移動に対するニーズが高いです。
  • フランス:パリには Uber のアドバンスト・テクノロジー・センターがあります。長い航空の歴史を誇るフランスとの今後の交渉を楽しみにしています。

Uber Elevate チームは、各国主要都市の関係者との協議に向け調整を進めています。uberAIR の試験飛行を行う国際的な都市は半年以内に決定し、発表する予定です。

飛行試験を行う3都市目の選定に関して、3つの優先条件を設けています。

  1. 大規模な市場:人口200万人以上の大都市で、都市部の領域内に密集度の高い地域が複数存在し、革新的な移動手段に対する強いニーズが現在ある都市を理想としています。
  2. 地域の協力:連邦政府、州政府、地方自治体だけでなく、試験飛行を行う都市のコミュニティ(不動産開発企業、建築に関する規制当局、地方議会、住民)との連携が重要です。uberAIR の導入に向けて数年間にわたり協力できるパートナーを求めています。
  3. 実現できる条件:uberAIR は、Uber の地上ネットワークと円滑に統合でき、様々な移動手段と連携した効率的に運用によって実現します。

uberAIRの飛行試験を行う国際的な都市の条件について、詳細はこちらで確認いただけます。

世界最大(中国を除く)のフードデリバリーサービスに成長しつつある Uber Eats は293都市で展開し、売上高は60億ドルに達します。アジア太平洋地域での成長は世界的にみても著しく、1年で6倍の成長を記録しました。日本やインドの都市部では Uber の配車サービスに先駆けて Uber Eats が展開されており、Uber の市場開拓の役割も果たしています。

Uber は、都市部において空の移動を実現することは、Uber Eats のフードデリバリーサービスにもメリットがあると考えています。空の移動で、より早く、より手頃な価格で、より確実に、より多くのユーザーとレストランをつなぐことが可能になるでしょう。

Uber Eats のドローンによる未来の配達構想はこちらをご参照ください。

ドローンによる配達の実現には、 uberAIR のために構築した設備やシステムのほか、米国の連邦航空局(FAA)をはじめ関係者との規制緩和に向けた協議や進捗状況も活用できます。今年5月には米大統領覚書に基づき、 FAA のインテグレーション・パイロット・プログラムにおいてドローンによる試験配達を行う唯一の都市にサンディエゴが選ばれました。以来、Uber Elevate は FAA、米運輸省(DOT)、サンディエゴ市当局と連携し、技術パートナーとともにテスト飛行を成功させています。

アジア太平洋地域における uberAIR の運行予測ルート

uberAIR は、都市部における移動を根本から変え、世界共通の問題である交通渋滞を解決に導きます。アジア太平洋地域全体を通して、uberAIR は車による移動が多いエリアや公共交通機関が機能していないエリアを含め、あらゆる種類の移動に大きな影響をもたらします。

Uber Elevate チームは初めて、デリー、東京、ムンバイ、ソウル、シドニー、台北における uberAIR の将来の運行ルートを予測しました。uberAIR が都市で実現するメリットはこちらをご覧ください。また、大規模な都市交通ネットワークの拠点となる Skyport の最初のデザインはこちらをご覧ください。