株式会社 Kaya Group
https://kayagroup.jp/
川脇剛志氏
二瓶槙二郎氏
Kaya Group は、2009年の創業。兵庫県神戸市に本社を置き、飲食店の経営やフランチャイズチェーン(FC)加盟店の募集および加盟店の経営指導を手掛けています。株式会社 Kaya Group の川脇剛志氏と二瓶槙二郎氏に Uber Eats で売るための施策として展開している「リスティング広告」と「オファー」についてお話を伺いました。後編では、オファーとデリバリー事業の今後の展開についてお届けします。
※リスティング広告= Uber Eats プラットフォームで明確な意欲を持って注文を検討している注文者に対し、お店を目立たせることができる強力な広告手法。
※オファー=割引クーポンやキャンペーンのこと。3,000 円以上で 500 円オフや 5 回利用で 500 円引きなど、さまざまに設定できる。
3.オファーにどのように取り組まれているのか教えてください。
川脇氏:弊社ではオファーをかけることを推奨しています。20%OFF や配達手数料 0 円のオファーをするとユーザーの目には留まりやすくなります。露出は上がるのは間違いありません。
20%OFF のオファーをやると 40%~45% はアップします。もちろん、40%~45% アップしてもそこから20% が引かれるので実質的には 20%~25% となります。しかもそれは平均なので、70% も上がる場合もあれば 10% しか上がらない場合もあります。10% しか上がらないのなら利益率は悪くなります。振り幅があるのでバランスを見ながら提案をしています。
オファーをかけると注文数は増えますが、利益率は下がるため、加盟店さんの考え方次第になります。「注文数は少なくていいから、利益率を大きく取って、オペレーションは最小化してやりたい」という加盟店さんもいます。また、本業の飲食店をやりつつデリバリーをやる加盟店さんは、本業の方が忙しくなると、「デリバリーの注文数を減らしたい。リスティング広告もやめて、オファーも外したい」となる場合もあります。
我々もオファーではさまざまなパターンを検証する必要があると考えています。例えば、加盟店さんに配達手数料 0 円のオファーを提案するにしても、細かいコストを把握し、利益がいくら残るのかを細かく設計してから紹介する必要があります。
オファーの効果測定では、オファーをやっているとき・やっていないときの売り上げ金額を本部で出す必要があります。リスティング広告よりは分析はしづらいものです。
二瓶氏:加盟店さんにはリスティング広告の仕組みなどに明るくない方々も多くいらっしゃいます。それをどう伝えるかは本部の役割です。仕組みで解決しなければいけない部分もあるので、仕組みを整えようと動いています。
仕組みのひとつとして、 Uber Eats さんが提供する数多くの有益な動画を、加盟店さんにステップ配信することを計画しています。そんな仕組みで課題を解決できるようにしたいと考えています。
4.その他、どのような販促施策を講じられているのでしょうか?
川脇氏: Uber Eats さんのプラットフォームの中ではありませんが、オプションとしてチラシのポスティングを、特に新規出店の加盟店さんには提案しています。これは、加盟店さんの近隣 3 キロ圏内の住宅とオフィスに A4 のチラシをポスティングするというものです。
チラシは弊社のデザイナーチームがデザインをし、QR コードを付け、そこから注文していただくという方法です。Web サイトや SNS での情報発信もやってみましたが、即効性があったのは、チラシのポスティングでした。
ただ、費用もかかるため、初期の販促費用として捉えてもらうようにしています。基本、チラシをポスティングする加盟店さんには 20%OFF のオファーをしてもらい、お客さまを呼び込むようにしています。
チラシのポスティングはエリアによって、マーケットの規模が違うため、どのエリアでも有効かは難しいところです。また、チラシはお客さまに捨てられないよう保管してもらう必要があるため、インパクトのあるチラシにすることを工夫しています。
他にも Uber Eats さんには販促の仕組みが整っているので、その仕組みを理解し、活用して売り上げを上げていくことを考えています。
5.今後、どのようにデリバリー事業を展開しようとお考えですか?
二瓶氏:デリバリーでおいしい商品が注文できないエリアがたくさんあります。そんなエリアに良いブランドを開発して提供したいと考えています。そのため、特定のエリアだけで複数店舗を展開されているレストランブランドと共同で、そのブランドのデリバリーバージョンを全国に展開する取り組みがスタートしています。既にあるレシピなので味もしっかりしていて、飲食企業なので安全性も担保されています。そのようなブランドをたくさん立ち上げ、全国の加盟店さんに卸していくことに取り組みたいと考えています。
川脇氏:コロナ禍になって、飲食店さんが困り、弊社のような事業者が一気に増えました。ただ、粗悪な専門店を立ち上げ、いたずらに売っていく事業者も中にはあります。弊社はきちんと一つのブランドを確立させ、それを全国展開する。 Uber Eats さんの価値は、おいしくて安心安全な商品がお家で食べられることです。弊社の事業もその延長線上にあります。きちんとした商品を提供していかなければならないと考えています。
また、商品開発をやりつつ同時にカスタマーサポートも充実させなければなりません。とはいえ、何でもできるわけではないので、まずはきちんとブランドを開発する。協業してくれる加盟店さんを見つけ、 Uber Eats さんのプラットフォーム上に良いブランドを提供していく。まずはこの 1 点に集中していこうとしています。
6.これからのビジョンを教えてください。
川脇氏:リピーターを付けるのは難しいと感じています。おいしくてコスパが良いという商品力が全てです。味のクオリティを上げながら、食材費を下げる必要があります。
そうした努力を続けながら、レシピ開発に取り組み、先ほど話した、特定の地域でしか展開していないレストランブランドを全国に展開する。デリバリーのマーケットがあるのに、店舗数がないエリアにデリバリー専門のゴーストレストランを展開できればと考えています。
それができたら、海外に展開したいですね。 Uber Eats さんはもともと海外の企業です。海外のどこでも同じシステムが使える。もちろん、簡単ではありませんが、日本のレストランブランドを海外に持っていくというのは夢があります。どの国にマーケットがあるかは Uber Eats さんの情報が活用できますしね。
二瓶氏:難しさの方が多いとは思いますが、チャレンジはしていきたいと考えています。
我々のような若い世代がビジョンを持ってどこを目指すと掲げると、協業先が名乗りを上げてくれます。いろんな人を巻き込んで、夢を見ながらやり続けることが大事だと思っています。
川脇氏:他国に比べて日本のデリバリー市場はまだ、未成熟なので、ここから伸びる可能性を秘めていると感じています。今後、自動運転での宅配やドローン配送が現実化されると、市場は一気に爆発するはずです。そこに向けて今はじっくりと取り組んでいきたいと考えています。
まとめ
Kaya Group の川脇氏と二瓶氏は、売るための施策として「リスティング広告」と「オファー」が重要だと語ります。
「20%OFF のオファーをやると 40%~45% はアップします。ただし、オファーをかけると注文数は増えますが、利益率は下がります。そのため具体的な効果を加盟店さんに提示し、それが売り上げ向上に必要なものだと理解していただく必要があります。」
Uber Eats では、マーチャントパートナーの皆さまに向けた「リスティング広告」や「オファー」に関する動画を提供しています。それらをご活用いただき、お店の売り上げ拡大につなげていただけますと幸いです。