TOKYO JUICE
ジェフリー・室松氏
野菜と果物などの素材の味を活かし、1 日に必要な栄養素をギュッと凝縮したジュースやスムージー、アサイーボウルなどが人気の「TOKYO JUICE」。
Uber Eatsで、レビュー数 1500 件以上、評価 4.9 と幅広く着実に支持されているジュースバーです。後編では、オーナーのジェフリー・室松氏にブランディングやデリバリーサービスならではの工夫、今後の展望などについて伺いました。
1.なぜ Uber Eats を始めようと思われたの ですか?
実店舗では、お客さまがお店にいらっしゃらないと商品を提供することができませんが、デリバリーなら、お客さまにこちらから商品を届けに行くことができると思ったからです。Uber Eats は 2019 年に実店舗を開店してからすぐに始めました。最初の頃は 400 円割引などを活用してリピーターの注文者様を増やしていきました。また、これは今でも続けていることですが、注文者様にレビューを書いていただいたら必ず返信をしています。全員に「ありがとうございます。またの注文をお待ちしています」という一言だけでも、メッセージを送ることは大事なことだと思っています。
2.実店舗と Uber Eats の両方から多くの注文が入っていると思いますが、オペレーションはどのように管理されていますか?
Uber Eats の注文の場合、朝はアサイーボウルの注文が多いという傾向がつかめているので、開店前に多く仕込むなど、準備を効率的にすることを意識しています。
野菜が届いていて、それらが全て片付いている、バナナが冷凍されているなど、厨房の中が完全に整っているときであれば、最初のお客さまには 2 分で商品を提供できます。もちろん Uber Eats も同じです。
ですが、イレギュラーなことが起きることもあります。例えば、野菜の納品が遅れてしまった、前日がとても忙しく作業を翌日に持ち越した結果、仕込みの時間が足りなくなったなど。そういう場合に備えて、朝はスタッフの人数を多くしています。当店の場合、朝の 8 〜 9 時に一番注文が多く、 9 時半から 11 時ぐらいに少し落ち着くという感じなので、朝の準備はとても大切です。
デリバリー担当者というのは特に決めていませんが、スタッフは各自の持ち場があり、責任者のようなポジションの人が主に Uber Eats の担当となっています。
3.SNS や、 Uber Eats の写真がとてもきれいですが、ご自身で撮影されているのでしょうか?お店のブランディングについて意識されていることはありますか?
店のブランディングやコンセプトに関しては、特に意識していることはありません。スタッフがいきいきと温かみのある接客をし、それに加えて、商品へのこだわりがしっかりしていれば、ブランディングは後からついてくると考えているからです。そのため、ブランディングへの投資や戦略よりも、商品の品質やスタッフへの育成に投資するように意識しています。スタッフの採用時には、我々のコンセプトに共感していただけるかを確認するようにしています。そして、仲間となった場合は、我々のストーリーや商品へのこだわりを繰り返し伝えています。スタッフも同じパッションで販売をすることにより、お客さまにもその熱が伝わり、それが少しずつ広がっていくことにより、結果としてブランディングにつながっているのではないかと思っています。
4.デリバリーサービスならではの工夫について教えてください。アサイーボウルやスムージーは溶けやすいですが、品質を保つために工夫されていることはありますか?
ジュースに関しては、紙コップやプラカップではなく、瓶で提供しているのでこぼれる心配はありません。スムージーは、ラップを何重にも巻いています。アサイーボウルやスムージーは、早めに作り冷凍庫に入れ、少し固めて保冷剤をつけています。また、アボカドトーストなどの温かいものと、ジュースなどの冷たいものが同時に注文された場合は、袋を分けています。紙袋の大きさも 3 種類あり、バイクなどで運んでいただく際に振動などがあっても動かないサイズのものを選んでいます。
5.今後の展望を教えてください。
まずは、ジュースバーのビジネスを拡大していきたいです。我々が TOKYO JUICE を始めたきっかけでもある、ヘルシーなライフスタイルやマインドをもっと広く伝えたいからです。ヘルシーなライフスタイルに関心がありつつも、ハードルが高く感じていたり、きっかけがなかったりする方はまだまだ多いと感じています。だからこそ、店舗数を増やすことにより、これまできっかけがなかった人にも我々の商品を届けたり、想いを伝えたりすることで、ヘルシーなライフスタイルを特別なものではなく、より身近に感じていただけたらうれしいです。
また、最近、アサイーの直接輸入を始めました。今アサイーがブームですが、円安の影響や競争率が高いため、仕入れ価格がどんどん上がっています。直接輸入をして、仕入れ経路を確保し仕入れコストを抑えることにより、販売価格も良心的に設定できます。
また、アサイーを購入したい飲食店に卸すことも視野に入れているので、こちらの分野でも規模の拡大を考えています。
5.これから Uber Eats のパートナー店になるのを検討している方にメッセージをお願いします。
Uber Eats は「昨日から始めるべき」です。これは、今日じゃなくて昨日。もう始めていなくては遅いと伝えたいです。 Uber Eats の注文者層は、実は店舗に来ていないお客さまが結構いますので、実店舗とは違う客層を取り込むことができます。実店舗だけで十分売り上げがあるとしても、プラスで違うマーケットのお客さまにアプローチできますし、お客さまのもとへこちらから商品をお届けすることができます。実店舗が忙しくてもお届けすることができるので、確実にプラスになります。だからこそ「昨日から始めるべき」ですね。
まとめ
「お客さまを待つだけではなく、こちらからお客さまのところへ行く」商品の品質を上げることはもちろん、それを多くの方に届けるところまで徹底されているジェフリー・室松氏。ご自身の体調不良を改善したジュースの力をもっと多くの方に知ってもらいたい、飲んでもらいたい、と熱く語る姿が印象的でした。数年後には、東京以外の街にも、 TOKYO JUICE の店舗を見かける日が来るかもしれません。