[2018年5月8日、ロサンゼルス]  Uberは、今年が2回目となる Elevate Summit の初日に、世界初となる都市航空輸送サービスの実現を近づける、様々なアップデートとパートナーシップを発表しました。

uberAIR(読み方:ウーバーエア)のサービスを開始する最初の米国内の都市がロサンゼルスになると発表してから半年を経て、Uber は主要なメーカーやテクノロジー企業とのパートナーショップを強化し、2020年の試験飛行と2023年の商用運行のスタートを目指して協業しています。

Uberの最高製品責任者(チーフプロダクトオフィサー)であるジェフ・ホールデン(Jeff Holden)は、次のように述べています。

「Elevate Summit では、2023年までに uberAIR を実現にするために必要な航空業界の多くの面での進歩をご覧いただきます。その中には、複数の航空機のデザイン、新たなバッテリー技術、製造面での改善、そして安全・正確で、かつ環境に優しい運用を大規模に実現し、都市での移動を抜本的に改善する運用システムが含まれます。『ボタン一つでフライトに乗る』という、この壮大な取り組みは、官民の枠を超えた密接なパートナーシップなしでは実現できません。そしてそれこそが Elevate Summit の狙いでもあります」

Uber は航空機の製造こそ行いませんが、各業界のリーダー達と協力し、uberAIR で使われる垂直離着陸機(VTOL)を開発します。Elevate Summit の初日に発表された主な内容は、以下のとおりです。

  • uberAIR の新たな標準モデル
    Uberは、時速150~200マイル(240~320キロ)で地上1,000フィート(約300メートル)以上を飛行する、uberAIR の新たな標準モデルを発表しました。このモデルは、垂直に離着陸するための4つの電動プロペラを備えています。これにより、機体の安全性を高め、騒音を減らし、既存のヘリコプターよりもはるかに静音化することができます。
  • Embraer 社が初のVTOLモデルを発表
    新型「Embraer X」は、50機近いモデルを設計・開発して認証を受けており、100カ国に8,000を超える航空機を提供してきた Embraer 社の新たな方向性を示すものです。
  • Pipistrel 社の新たなコンセプトモデル
    世界で初めてFAA (連邦航空局)の承認を取得した電動飛行機「Alpha Electro」を製造する Pipistrel 社が、巡航時と垂直上昇時に同じ推進システムを使用する、新たなコンセプトモデルを発表しました。
  • Karem Aircraft 社が Uber Elevate の機体パートナーとして参加
    Uber と Karem Aircraft 社が協力し、最新のバタフライ型航空機を開発します。これは両翼と尾翼に4つの大きなプロペラを備えたクアッドティルトローター機です。この設計により、空中静止と巡航飛行の効率性を両立させることができ、垂直上昇が可能、かつはるかに静音化された  uber AIR のための100%電動の航空機が実現します。
  • 米陸軍との新たな研究契約
    標準モデルに搭載する、より静かで高性能の新たなローターシステムを開発するため、Uberと米陸軍研究開発技術司令部の陸軍研究所は、共同研究開発契約および共同作業声明に署名しました。この契約には、2枚が同時に回転する機能を持った初のプロペラ製作に向けた共同資金の拠出と研究開発が含まれます。開発のコンセプトは、同じ方向に回転する2つのプロペラを重ねて配置することによる、極めて静かな飛行の実現です。
  • E-One Moli 社との新しいバッテリーテクノロジーパートナーシップ
    電動VTOL(eVTOL)機は、1回の充電によって数十回のフライトが可能で、迅速な再充電にも対応できる新たなバッテリーテクノロジーを必要とします。今回の Elevate Summit で、Uber は E-One Moli 社とパートナーシップを結び、eVTOL機向けのバッテリーパックに関する共同研究を行うことを発表しました。Moli社 は
    セリーナ・ミコロジャック( Celina Mikolajczak)が率いる Uber のバッテリーチームと密接に協力し、将来、プロトタイプで使用できるバッテリーセルを機体パートナーとともに開発します。
  • ChargePoint 社が eVTOL用充電器のコンセプト設計を発表
    世界最大で、最も広範に電気自動車(EV)用の充電システムを提供している ChargePoint 社 は本日、eVTOL機を含む電動の航空機およびセミトラックに用いられる、2MWの高出力充電のコンセプト設計を世界で初めて発表しました。
  • UberがNASAとの新たな航空宇宙契約を発表
    2017年11月の契約に続き、Uberは新たに米航空宇宙局(NASA)との2度目の航空宇宙契約を発表しました。都市空間での航空交通のコンセプトとテクノロジーに関するNASAの研究は、この産業の規範や、米連邦航空局の規程と手続き、その他の規制を策定するために必要なデータを生み出します。詳細については、下記のWebサイトをご覧ください。
    https://www.nasa.gov/aero/taking-air-travel-to-the-streets-or-just-above-them

Uberは先日、Uber Elevate を主導していく人材として、これまで Zee.Aero 社を率いていたエリック・アリソン( Eric Allison )を迎え入れることを発表しました。これ以前にも、元 Tesla 社 のセリーナ・ミコロジャック(Celina Mikolajczak)、元 NASA の経験豊富な技術者であるマーク・モーアー(Mark Moore)とトム・プレボット(Tom Prevot)を採用し、昨年からプロジェクトに参加しています。

Summit の2日目は、大手建築事務所によるuberAIRの離発着拠点「Skyport」の設計発表や、規制上の課題に関するパネルディスカッション、閉会に向けたCEOのダラ・コスロシャヒ(Dara Khosrowshahi)によるセッションを実施。

Summitの様子は、こちらのWebサイトでも生中継されました。https://www.uber.com/info/elevate/summit/

 

Uber Elevateについて

Uber は、2016年10月に都市部の航空交通に関する最初のレポートを公開し、Elevate プログラムを立ち上げました。それ以降、eVTOL(電動垂直離着陸車両)を開発している実績のある航空機メーカーをはじめ、Embraer 社、Bell 社、現在はボーイングの子会社のAurora Flight Sciences 社、Pipistrel Aircraft 社、Karem 社などとのパートナーシップを締結してきました。Uber の設計モデルは、飛行速度150~200マイル(240~320km)、飛行高度1,000~2,000フィート(300~600メートル)、1回の充電で最大60マイル(96km)を飛行できる完全な電気航空機を定めています。

Uber は昨年、ダラス・フォートワース ‐ フリスコ(テキサス州)とロサンゼルスで2020年にuberAIR の飛行デモを行い、2023年に商用運行を開始する意向を表明しました。uberAIR の交通網に不可欠な離着陸拠点「Skyports」の建設を促すために、Uber は Hillwood Properties 社および Sandstone Properties 社との不動産パートナーシップも締結しました。昨年秋、Uber は uberAIR による体験を描いた初の動画を公開しました。

2018年の Elevate Summit において Uber は、交通管理テクノロジーと都市部の航空交通に重点を置いた NASA との独占的な宇宙活動協定を発表しました。Uber は、航空機向けリチウムイオン・バッテリー・パックの開発で E-One Moli 社と協力しており、ローター・プロペラ・テクノロジーの開発で米陸軍との共同作業声明に署名しました。