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マーチャント, ストーリー

バーチャルレストランを理解し、正しい方法でスタートする【後編】

2023年3月30日 / 日本
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Globridge(グロブリッジ)は、2008 年に設立され、飲食店経営事業や専門支援、デリバリー業態開発支援に関するコンサルティング事業などを展開しています。本ブログでは、代表取締役の大塚誠氏のお話の後編として、バーチャルレストランのノウハウについてお届けします。
 

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4.バーチャルレストランに取り組む上でのノウハウについて教えてください。

大塚氏:飲食店はプロダクトアウトで、おいしければ繁盛するとよくいわれます。「俺の作る料理はうまい。分からない奴は来なくていい」という頑固おやじもいます(笑)。そのため、多くのバーチャルレストランではお客さまが喜ぶことは何かに気付けていません。

弊社ではリサーチ事業も行っており、お客さまはどんなことを感じているかを調査しています。

特にオンラインフードデリバリーでは調査は必要だと考えています。店舗なら、お客さまの声や食べ方で気付けることでも、デリバリーでは気付けないからです。デリバリーは目をつぶってバットを振っているようなもの。店舗ならヒットできても、まず当たりません。

唐揚げは中年男性が注文していると思っていたら、若い女性に人気だったということもあります。

また、デリバリーでは我々が関与しない、配達というプロセスでトラブルが起こる可能性もあります。調べてみると料理の味ではないところでお客さまが不満に思っている。そのようなことはオンラインでは気付けません。

そのため、弊社ではアンケートシステムを使って、お客さまの声を拾う仕組みを作っています。どんな場所で、誰が、どんな商品を注文し、どのような評価をしているかを調べて商品開発をしています。さらに、弊社では直営店も持っているので、そこでトライ&エラーをしながら、開発したブランドをリリースするというステップを踏んでいます。そこが弊社の強みだと思っています。

Uber Eats で成功したいのなら、 Uber Eats を見ることです。 Uber Eats が最も恐れるのは、お客さまが Uber Eats から離れること。なので、 Uber Eats としてはお客さまから不満の出るようなバーチャルレストランは困るわけです。つまり、 Uber Eats を見ることはお客さまを見ることにつながります。

どうすればお客さまに支持してもらえるかは、 Uber Eats が教えてくれます。 Uber Eats には基準というものがあり、その基準に合わせることです。 Uber Eats では管理画面も用意していて、アドバイスもしてくれます。売れないといっているバーチャルレストランはその管理画面を見ていないということが多々あります。答えは Uber Eats の中にあると言えます。

2 つの評価のスコアを上げることが大切です。ひとつがお客さまの評価。もうひとつが Uber Eats の評価です。この両方の評価を上げるには、お客さまと向き合っていないと上がりません。逆にいうと、この 2 つの評価を上げると、自然と売れるようになります。

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5.バーチャルレストランとゴーストレストランの違いとはなんでしょうか?

大塚氏:明確な定義はないとは思いますが、バーチャルレストランは店舗がありながら、そこで別のブランドも扱うこと。オンライン上だけのブランドをバーチャルレストランと定義しています。

ゴーストレストランは、デリバリー専門店。お客さまが入ることなく、キッチンだけでやっている飲食店と定義しています。実は、キッチンは家庭にもありますし、スーパーや工場、カラオケ店にもあります。これらはいずれもゴーストレストランになりえます。

例えば、焼き鳥店の「A」さんが、リアル店舗で提供している商品を「A」というブランドでデリバリーをやる(その商品がデリバリーに合うかどうかは別にして)のが最も強い。

しかし、なぜ、皆がデリバリーを頼むかというと、料理のバリエーションを楽しみたいからです。東京はいろんな料理がそろっていますが、東京のようにそろっている町はそんなにありません。今、おいしいイタリアンが食べたいと思ってもリアルなお店がないと食べられない。バリエーションを楽しむには、バーチャルレストランやゴーストレストランが必要です。

しかし、焼き鳥店の「A」さんがイタリアンをやろうとしても、食材や厨房機器が不足していますし、多少の無理はあります。なので、バーチャルはリアルに対抗しようとしても勝てないかもしれない。

でも、イタリアンが食べたいのにリアルなお店がない、と困っているユーザーの希望を満たしてあげるために、バーチャルと組み合わせる。オペレーションを考えながら、焼き鳥店の「A」さんでもイタリアンを提供できるようにすることです。私はキッチンとブランドと提供方法の 3 つの組み合わせで、いろんな形の事業を作っています。

全く飲食店のないエリアでキッチンだけ作ればゴーストレストランは成り立つと思います。そうすることで、自分のいる場所に、ありとあらゆるバリエーションの選択肢の可能性を実現することができます。他店との競合というより、食べたいものを食べたいときにどんな場所でも食べられる世界の実現を目指すことができます。
 

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6.バーチャルレストランとゴーストレストランを開業する方法について教えてください

大塚氏:バーチャルレストランはすぐにできます。弊社に飲食店から依頼があった場合、弊社の開発担当者が「ここに食材を保存しましょう、オペレーションはこうやりましょう」と打ち合わせをして、その場で試食をし、細かいことは動画で勉強してもらう。その間に我々は Uber Eats との開業手続きに入っています。開発担当者の 2 時間のレクチャーと手続きのリードタイムで 10 日から 2 週間くらい。早いと 1 週間でスタートできます。弊社ではサポートも行いますが、やることはいたってシンプルです。

ゴーストレストランで今、一番、多いのは、撤退した飲食店の居ぬきを使って、お店としてオープンするのではなく、ゴーストレストランとして営業するパターンです。アメリカのキッチンベースでは、投資家が場所を借りてキッチンを作り、そこに加盟店を付けて、ゴーストレストランとして展開し、賃料を上乗せしてサブリースをかけるといったことをやっています。

弊社も、飲食店を居ぬきで借りて、キッチンをそのまま使い、客席をストックヤードにして運営することをやっています。このスタイルだと本当に速くできます。

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まとめ

バーチャルレストランやゴーストレストランを成功させるには、お客さまの声に耳を傾け、ニーズに合った商品を提供することです。飲食店の場合、店舗の契約からスタートまで、膨大な時間と費用がかかります。しかし、バーチャルレストランにしろ、ゴーストレストランにしろ、考えるよりも早くに始められます。リードタイムを短くして資金を回し、トライ&エラーを繰り返すことが成功への近道です。

投稿者: Azusa Miura

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