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マーチャント, ストーリー

バーチャルレストランを理解し、正しい方法でスタートする【前編】

2023年3月30日 / 日本
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Globridge(グロブリッジ)は、2008 年に設立され、飲食店経営事業や専門支援、デリバリー業態開発支援に関するコンサルティング事業などを展開しています。代表取締役の大塚誠氏に、オンラインデリバリー業界の実態や展望についてお話を伺いました。本ブログでは、まずは前編として、事業内容や飲食店の抱える課題に関する内容を中心にお届けいたします。
 

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1.Globridgeでは、どのような事業を展開しているのでしょうか?

大塚氏:新型コロナウイルス感染症によって人々が外出を控えるようになリ、店舗にお客さまが来なくなった飲食店が危機的状態になりました。それでもなんとかしてお店の稼働率を上げたいというとき、オンラインフードデリバリーは新しい販売チャネルとして、とても助かる存在でした。しかし、それは今までの飲食店とは違う世界でもありました。

コロナ禍の初期の頃、弊社がコンサルティングをしている飲食店から「オンラインフードデリバリーに登録したけれど、全く売れない」という話がありました。よくよく話を聞いてみると集客の方法が間違っているためだと分かりました。飲食店は立地が 9 割といわれる商売です。場所が良ければお客さまは店舗に来てくれるため、オンラインでの集客は得意としていません。そもそも多くの飲食店は IT を活用したこともありません。それではオンラインで売れないのも当然です。

また、お客さまに届ける商品のクオリティが低いことも問題でした。私もユーザーとしてオンラインフードデリバリーを利用していましたが、届いた料理が容器の中でぐちゃぐちゃになっているとか、冷めているとか、3 回注文したうち、2 回はそんなひどい状態でした。

それは仕方ないことです。多くの飲食店はデリバリーの経験はありません。デリバリーでは、コンビニ弁当のように容器に料理を隙間なく詰めないといけないのですが、コンビニ弁当のような見た目にすることは、高級店ほどプライドが許しません。高級店では盛り付けにもこだわっていて、お皿の空間を活かして料理を美しく見せようとします。でも、容器に空間があると、先ほどの話の通り、デリバリーしたとき大変なことが起きます。

なのに、飲食店では届いた料理がぐちゃぐちゃになっていると想像もしていません。お客さまがクレームを入れると分かりますが、お客さまは「このお店には二度と注文しない」となるだけでクレームを入れることはしません。分からないから改善もできないんです。

そこから、飲食店が苦手としているオンラインでの集客とネットの活用などを支援することで、飲食店業界に喜んでもらえる状態が作れるのではないかと考えました。

飲食店が自分達で Uber Eats を申し込んで、メニューを作って、と作業していたことを、弊社がすべて引き受けることにしました。弊社で商品ページも価格も作り、オーダーも取る。飲食店はオーダーが入ったら弊社が決めたレシピ通りに調理し、 Uber Eats の配達パートナーに渡すだけ。

料理は店舗で提供しているメニューを作るのではなく、弊社が決めたデリバリーに適した料理です。

弊社の事業は、飲食店と弊社と Uber Eats という、3社分業制のモデルです。このような事業に名前が付いているわけではありませんが、私はオンラインフードデリバリーのフランチャイズ本部のようなイメージで捉えています。

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2.オンラインで上手くいかない飲食店の課題は何でしょうか?

大塚氏:集客もそうですが、クロージングをやったことがないことです。例えば、車のショールームでは人が来ても、全ての人が車を買ってくれるわけではありません。購入を悩んでいる人にどうすれば買ってもらえるかを考える必要があります。でも、飲食店ではお客さまが何も食べずに帰ることはないんです。だから、クロージングという発想が生まれません。

クロージングの発想がないから集客するイメージも湧かないのだと思います。私としては、「売り上げがは上がるのに、なぜ集客とクロージングをやらないのだろう。」と疑問に思います(笑)。

もうひとつの問題は店長です。店長はスタッフの気持ちをつかまないといけません。でも、スタッフの気持ちがつかめる人はイケてるモテる奴です。そんなイケている奴はすぐに別の店に行ってキャリアアップする。すると店舗の質が下がってしまう。でも、次の店長にスタッフの気持ちをつかむ方法を教えることは不可能です。

そもそも店長が忙しすぎるという問題もあります。忙しいから事務所にこもることになる。するとスタッフと距離が開いてしまう。店長にはなるべく、余計なことはさせない。そのために DX が必要なのです。ただし、現場に行ってみると店長がシステムを使わずに放置しています。使い方が分からないから。それに、店長に「DX を使え」といっても、余計に非効率になるだけです。

なぜ、こうなるかというと、店長をやったことのない人が DX を開発しているからです。弊社は飲食店業界に特化してきたので、飲食店で必要な DX が提供できます。


 

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3.事業をやっていて、良かったと思うのはどのようなことでしょうか?

大塚氏:Uber Eats は、世界的な IT 企業で、世界中で必要とされています。そんな Uber Eats と一緒にビジネスができるのはチャンスだと思います。 Uber Eats が成長すれば弊社も成長できます。弊社は Uber Eats にとって必要とされる存在になりたいと思っています。

オンラインフードデリバリーの未来は語るまでもありません。世の中が便利になったと気付いた。今までなら着替えて街に出て飲食店に入るか、コンビニで何か買うしかなかったのが、レストランの料理が自宅に届く。自宅で映画を見ながら食べることだってできるようになった。こんな便利は逆行しません。その便利が IT の進化で実現した。これからも広がっていくのに決まっています。その波が来ているのに、オンラインフードデリバリーのデメリットを考えるのは面倒なだけです。デメリットがあると思うならやらなくていい。

今は、 Uber Eats が我々を引っ張ってくれる。 Uber Eats に着いていけば、お客さまは喜ぶし、会社は伸びる。悩むよりやった方が早いと思います。

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まとめ

大塚氏は、コンサルタント企業であるベンチャー・リンクで「牛角」や「しゃぶしゃぶ温野菜」「かつや」といったフランチャイズ本部の立ち上げや、飲食店の経営者指導に長年携わってこられました。飲食業界で IT を活用したコンサルティングを行われており、コロナ禍で苦境に立たされた飲食店をサポートされています。
そんな大塚氏の「売り上げは上がるのに、なぜ集客とクロージングをやらないのだろう」という言葉に、新しい視点を得られる方もいらっしゃるかもしれません。

投稿者: Azusa Miura

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