
株式会社ツリーフードパートナーズ
代表取締役 竹原 廉 氏
「イートインの売り上げが、コロナ前の水準に戻ってきた」——そんなうれしいニュースが聞かれるようになった一方で、人件費や食材費の高騰が飲食業界に新たな課題をもたらしています。
そうした状況において、デリバリーを「持続可能な収益源」として戦略的に活用していくべきだと提案するのが、株式会社ツリーフードパートナーズ代表取締役の竹原 廉氏です。
同社は、2025 年度 1〜3 月期のコンサルティング部門において、トップクラスの成果を挙げた企業に贈られる「Gold ランク」を獲得。
今回は、竹原氏に「今、なぜデリバリーなのか?」という問いを軸に、飲食業界の現状分析と導入事例を交えてお話を伺いました。
― コロナ禍を経て、飲食店の営業スタイルや収益構造には大きな変化が見られました。現在のデリバリーの役割や立ち位置、今あらためて「デリバリーが果たす役割」について、 どのようにお考えですか?
コロナ禍では営業が制限され、多くの飲食店がやむを得ずデリバリーを導入する状況にありました。
当時は、十分な運営ノウハウが共有されておらず、「まずは試しに Uber Eats を導入してみる」という店舗も多く見受けられました。
現在では、「自宅に料理を届けてもらう」という利用スタイルが広く定着し、デリバリーは「売り上げを戦略的に伸ばすための手段」として着実に位置づけられつつあると感じています。
弊社では、イートイン事業を重視しながらも、「イートイン 7 割:デリバリー 3 割」を理想的な売り上げバランスの 1 つと捉えています。デリバリーは、「継続的に収益を生み出せる手段」として、今後も重要な役割を果たしていくと考えています。
そのような認識のもと、私たちはデリバリー運営が飲食店にとって自然な選択肢となることを見据え、コンサルティングの現場でも積極的なご提案を行っています。
― 店内営業の売り上げが戻ってきたという声もある中で、それでも「デリバリーを提案する意義」はどのような点にあるとお考えですか?
「イートインの売り上げが回復した」と安心されているレストランパートナー様にこそ、現在の利益構造に目を向けていただくことが重要だと感じています。
実際にキャッシュフローを一緒に確認してみると、コロナ前には 10% 程度あった利益率が、現在では 5% を下回るケースも珍しくありません。こうした傾向は、特に 3〜10 店舗規模の中小飲食企業に多く見受けられます。
食材費や人件費の上昇が続いているのに加えて、コロナ禍で借り入れた資金の返済が本格化し、「売り上げが戻っても手元に資金が残らない」という課題に直面する店舗が増えています。