
株式会社ダイニングイノベーション
七宝事業 Division
安部衣玖美 氏
2007 年、東京・渋谷に創業した薬膳スープ春雨専門店「七宝麻辣湯(チーパオマーラータン)」。麻辣湯ブームを牽引する存在として、関東を中心に全国の主要都市にも店舗を展開中です。おいしく食事しなが身体を内側から元気にする「美容健康・医食同源」をコンセプトに、50 種類以上のトッピングや辛さを⾃由に選ぶことができ、⾃分好みの⼀杯を楽しめます。今回は、その人気の秘密や、Uber Eats を導入したきっかけ、導入したことによる変化などを七宝事業 Division の安部衣玖美氏に伺いました。
手間暇かけた薬膳スープとカスタマイズで、おいしい体験を提供する
― おいしさへのこだわりについて教えてください。
1 つ目は、創業以来 300 回以上の改良を重ねて完成した薬膳スープです。鶏・豚・牛の旨味に 30 種類以上の薬膳をかけ合わせ、 辛さの中にも深いコクと香りが広がる味わいに仕上げています。これを各店舗で毎日丁寧に炊き上げています。このスープで麺や具材をじっくり煮込むことで、一口ごとにしっかりと旨味が感じられます。
2 つ目は春雨です。鹿児島産さつまいもと北海道産じゃがいもを配合し、スープにあった麺の太さや食感を追求しています。素材の力と手間を惜しまない製法が、七宝麻辣湯のおいしさを支えていると思います。

― 自分で具材が選べるところは七宝麻辣湯の大きな魅力だと思うのですが、何か工夫されていることはありますか?
店内に入ってすぐ目に入るところに具材を見せるショーケースがあります。色とりどりの具材が並ぶことで、ワクワクできる体験を演出しています。明るく清潔感のある空間づくりを意識していて、カウンター席やテーブル席をバランス良くレイアウトしています。1 人でも複数人でも、ゆっくり滞在できる設計にしています。選ぶ楽しさと居心地の良さを大切にすることで、「日常の中で自然と選ばれる一杯」を目指しています。

仕組みと仕込みで、店舗とデリバリーを両立
-Uber Eats を導入したきっかけは何だったのでしょうか?
大変ありがたいことに、ピークタイムには多くのお客さまにご来店いただき、お待ちいただくことがあります。そこで、ご自宅や職場などでも七宝麻辣湯を楽しんでいただけるようにしたいという思いからデリバリーに対応するようになりました。また私たちには、麻辣湯を日本の日常食にするというビジョンもあるので、Uber Eats を導入することで、より多くのお客さまに知ってもらえるのではないかと考えています。
-Uber Eats を導入するにあたって、何か不安や課題はありましたか?
デリバリーの場合、店頭のようにショーケースを見て選ぶことができないため、その体験価値をどうつくるかは課題でした。また、選択肢が多すぎると注文しづらく、お客さまの負担にもなりかねません。そこで私たちは、まず「選びやすい状態」をつくることにしました。あらかじめ基本のセットをいくつか用意し、そのうえで、お好みで追加トッピングができるようにしています。

-カスタマイズ性が高いと、注文した具材が入っていないといったトラブルが発生しやすいと思いますが、どのように対策されていますか?
ミスを防ぐための仕組みとして、 「ポジティブコール」をマニュアルに組み込んでいます。作業を明確化するために声に出して確認するのですが、「これを入れました」「この具材を追加しました」と自分の作業を宣言することで、周囲のスタッフにも聞こえるようにします。自分の責任範囲を自分で確認する仕組みです。また、商品を確認する最終チェック担当者を固定し、複数段階でチェックが入る体制を整えています。
-その他にも何か工夫をされていることはありますか?
ピークタイムに注文が重なると、店舗とデリバリーを両立させる難しさはありますが、スタッフそれぞれの役割を明確にすることで対応しています。また、事前に仕込みをすることで、効率よく商品を提供できるようにしています。いかにお客さまをお待たせしないようにするかには気を配っています。

お客さまの喜びの声が証明する Uber Eats 導入の効果
-Uber Eats を導入したことで客層に変化はありましたか?
客層というより、商圏が広がったという印象は大きいですね。Uber Eats を通じて、これまで来店が難しかったエリアのお客さまにもご利用いただけるようになりました。また、デリバリーをきっかけに実際に店舗へ足を運んでくださるお客さまもいらっしゃいます。来店とデリバリーの両方があることで、七宝麻辣湯を楽しんでいただける機会が広がっていて、新たな顧客接点としての価値を Uber Eats に感じています。
-実際にどのような声がお客さまから寄せられていますか?
「デリバリーで頼んでいたけれど、初めて店舗に来てみた」や「家とか職場でも好きな麻辣湯が食べられるのがうれしい」といった声を多く頂いています。また、常連のお客さまの中には「最近忙しくてなかなか来られてなかったけど、Uber Eats で七宝欲を満たしているよ」と声をかけてくださった方がいます。普段は店舗に足を運んでくださっている方にも Uber Eats で七宝麻辣湯を楽しんでいただけていることが知れましたし、必要としてくださっていることが実感できてうれしかったです。

顧客体験のさらなる進化を求めて、改善を続ける
-Uber Eats の活用に関して、今後さらに改善していきたいところはありますか?
現在検討していることが 2 つあります。1 つ目は、配達パートナーの方との連携です。目の前にお客さまがいらっしゃる店頭とは違い、デリバリーの場合、商品を準備したところで仕事が終わりだと捉えがちな部分があります。配達パートナーの方との連携を強化し、「お客さまに届くまでが仕事」という意識をスタッフに浸透させていく必要があると感じています。
二つ目は容器です。麻辣湯は汁物なので漏れないことはもちろん、開けたときの見栄えを最優先にこれまでは改善してきました。一方で、Uber Eats を導入してみて分かったのは、デリバリーの商品を SNS に投稿してくださるお客さまが非常に多いということです。そのため、今後は容器そのもののデザイン性も高めていきたいです。
私たちはデリバリーにおいても、七宝麻辣湯の魅力をしっかり楽しんでいただきたいと考えています。そのため、見た目や提供状態がより良くなるように包装や設計を今後も改善していきます。デリバリーにするとどうしても損なわれがちな見た目のおいしさや、七宝らしい世界観を、ご自宅でもきちんと感じていただけるような工夫を続けていきます。
-最後に Uber Eats の導入を検討されている方にメッセージをいただけますか?
私たちは、デリバリーは別チャネルというより、お店の価値を新しい形で届ける取り組みだと捉えています。オペレーションやメニュー設計は工夫が必要ですが、準備を重ねることで確実にお客さまとの接点が広がります。導入を検討されている方には、ぜひ取り組みを始めてみてほしいと思います。

取材後記
中国・四川省が発祥とされている麻辣湯ですが、現在では中国はもとより、シンガポールやマレーシア、さらには世界中で愛されています。七宝麻辣湯の店内に一歩足を踏み入れた瞬間に広がるスパイスの香りからは、多くの人に愛される料理としての魅力を強く感じることができました。
七宝麻辣湯では、性別や世代を問わず、より幅広い方々に愛されるブランドを目指す取り組みの 1 つとして Uber Eats を活用されています。そこには、商品そのものへの確かな自信があるからこそ、「まだ出会っていない人にもこの一杯を届けたい」という想いがあります。Uber Eats は、そうした想いを新たな接点へとつなげる手段として、七宝麻辣湯の挑戦を支えています。
