
1日の始まりに最高の朝食 huwadolo
佐藤 綾氏
金沢 宗一郎氏
JR 渋谷駅の新南口直結、JR 東日本ホテルメッツ渋谷の 3F にある、ホテル内のレストラン「1日の始まりに最高の朝食 huwadolo」。ホテル宿泊者や来客者にモーニングビュッフェを提供しつつ、Uber Eats でデリバリーを展開。「朝食」というニッチなジャンルながら、直近 1 年間では月間売り上げ 100 万円前後をキープされています。リピーター率も高く、多くの注文者から支持されています。
なぜ「1 日の始まりに最高の朝食 huwadolo」は、飲食店激戦区の渋谷で多くの人から支持されたのか。そこには、コアターゲットへダイレクトに届くために考えたアイデアにより、一気に売り上げを伸ばしたストーリーがありました。

1.Uber Eats を始めたきっかけを教えてください
佐藤氏:販路の拡大の為です。元々レストラン営業をしている中で、さらに多くの方にお楽しみいただける方法はないだろうかと思っていました。店舗では朝食はビュッフェで出しており、そのお惣菜をセットにすれば、実店舗とは違うスタイルでもっと多くの方に当店の商品をお届け出来ると思いました。オープンして半年後、割と早いタイミングで Uber Eats を始めました。デリバリーのために人員体制を変えることはせず、元々のオペレーションに Uber Eats の業務を組み込みました。始めたばかりの頃は、デリバリーの運営について不慣れな点が多く、注文も 1 日 1 件ほどでしたが、Uber Eats のコンサルタントの方がとても親身になってアドバイスをしてくださりました。その提案にあった、店名の変更がきっかけで売り上げを一気に伸ばすことができました。それは、店名「huwadolo」の前に、「1 日の始まりに最高の朝食」を入れることです。Uber Eats では、アプリ上でパッと見ただけでお店の特徴を伝えられることが重要だと思うので、店名を工夫することも大切なのではないかと思います。

2.Uber Eats ではモーニングの需要はあるのでしょうか?
金沢氏:渋谷エリアでは朝の時間帯に、Uber Eats に対応しているお店が当店以外にほとんどないため、特に午前 8 時〜 10 時の時間帯の注文が多い印象です。デリバリーを始めてから約 3 年になりますが、注文者のほとんどの方がリピーターで、中には 100 回以上の注文をしてくださっている方もいらっしゃいます。毎日、朝 6 時半のオープンと同時にデリバリーも開始しているのですが、早朝から「おにぎりセット」や「サラダセット」など軽めのボリュームの注文が多く入ります。また、雨天や強風、酷暑など、外に出たくないような天気の時は注文が増えます。
3.忙しい時間帯で実店舗とデリバリ ーを両立する際、オペレーション面で工夫されている点はありますか?
金沢氏:スタッフ間で、「この日あなたは Uber Eats 担当ね」といったやりとりはするのですが、そこは柔軟に対応しています。ただ、本当に忙しい時は Uber Eats の機能の「ビジーモード」を使っています。長い場合では 1〜2 時間の準備時間を表示しているときもありますが、それを容認してまで注文をしてくださっている方がいらっしゃるのはとてもありがたいです。

4.とても華やかなメニュー写真を使用されていますが、実店舗とデリバリーで見た目のクオリティが異なってしまう心配はないのでしょうか?
金沢氏:そうですね。やはり実店舗では、ホテルのビュッフェ朝食なので、いわゆる「インスタ映え」するような色とりどりの華やかな商品が多く、SNS や YouTube などで投稿してくださる方が多くいらっしゃいます。Uber Eats で一番人気の「プレミアムセット」は、全 9 品のオードブルが魅力的なメニューですが、 9 種のオードブルは 9 マスの仕切りがある梱包材に入れて、なるべく写真の通りにお届けできるようにしています。盛り付けの仕方も、実店舗でご提供する際との見た目のクオリティの差をなるべくなくすように気をつけています。梱包材に関しては、レストランのテーマカラーである「ライトグレー」のものを採用し、デリバリーでも実店舗の雰囲気が少しでも伝わるように意識しています。配達パートナーへの商品の受け渡しに関しても、路面店ではなく、商業施設内の店舗で すが、特に支障なく対応できています。

佐藤氏:また、トップ写真に、多くの料理を撮影したものを使用しているレストランさんも多いと思いますが、当店の場合は、あえて「プレミアムセット」だけの写真にしています。これも、「当店ではまずこれを頼んでほしい」「朝食としてこれが一番おすすめである」ということを、分かりやすく伝えるためにしていることです。

5.最後に、今後 Uber Eats を始めようと思われているレストランの方へアドバイスはありますか?
佐藤氏:やはり、店名は非常に重要だと思います。そして、この店はどんな店で、何が食べられるのか、パッと見て伝わる写真も同じく重要です。これは、自分が提供しているものを、探している人にダイレクトに届けるために欠かせないポイントだと思います。また、プロモーションなども活用し、今後の展開も考えた価格設定というのも大切です。
金沢氏:実店舗の場合、お客さまに対してお料理を提供する際にはその反応を見ることができますが、デリバリーでは例え 100% のお料理を作ったとしても、配達の途中で何があるか分からないし、また お客さまに届いた先でどうなっているのかも分からない。なのでことさら気を配らないといけません。また、デリバリーは実店舗と違い、料理の味だけで勝負することになります。今の時代、デリバリーが簡単にできてしまうからこそ、デリバリーでの品質管理にしっかり気をつけないと実店舗にも影響が出てしまいます。実店舗とデリバリーどちらも両輪として力を入れていくことが必要だと思っています。

まとめ
今後は季節を感じる旬のメニューなどを出していきたいと話す佐藤氏と金沢氏。コロナの時期にデリバリーで注文していた注文者様が、最近になって実店舗に食べにきてくださるなど、デリバリーと実店舗の相乗効果を実感しているとのことです。Uber Eats の店名に、一番のセールスポイントを入れることや、メイン写真は看板メニューだけにすることなどで明確にお店をアピールした結果、「渋谷の朝食のお店」として徐々に広く認知されていったことがお話から伺えました。求めている人にダイレクトに届けることが大切なポイントであることを学びました。
■ Uber Eats:1日の始まりに最高の朝食 huwadolo
■ Instagram:https://www.instagram.com/huwadolo